少子化の影響で「定員割れ」が定常化するなど、日本の大学が置かれる厳しい状況を知る人は多いだろう。その一方で各大学や文部科学省は、社会人教育や遠隔教育といった新たな方向性に活路を見出そうと懸命だ。そんな改革の波の中で成果を挙げつつある教育機関の一つにビジネス・ブレークスルー大学がある。
本書では、ビジネス・ブレークスルー大学(以下、BBT大学)を運営する株式会社Aoba-BBTのトップであり、これまでにさまざまな教育改革に取り組んできた著者が、日本の大学経営の現状と問題点、時代のニーズに即した大学のあり方、BBT大学の実践例などについて、独自の知見をもとに幅広く論じている。「18歳人口の減少による過当競争」「授業料や補助金に頼ったビジネスモデルの弱さ」「日本語に依存していることによる教育コンテンツの国際的な競争力の低さ」といった課題に直面する日本の大学だが、リスキリング需要への対応、「ハイブリッド型校舎」といった取り組みがソリューションになるという。著者は株式会社Aoba-BBT代表取締役社長。1998年にネットスーパーの先駆けであるエブリデイ・ドット・コムを大前研一氏と共同創業。2013年からアオバジャパン・インターナショナルスクールの経営に参画。