新書・文庫
発刊 2023.01
ハイリスクハイリターンである開業医という選択
『患者が知らない開業医の本音』
松永 正訓 著 | 新潮社(新潮新書) | 222p | 880円(税込)
Contents

1.40歳、大学病院を去ることに
2.「残念ですが、ポストが空いていません」
3.貯金200万で開業できる?
4.「ここに建てよう」妻が指差したのは
5.30人の教授に決意の手紙
6.開業医になって驚いた
7.「この子、死ぬんじゃないか?」救急車に同乗
8.医局員と院長、どっちが楽しい?
9.医師会は「弱小圧力団体」?
10.クリニック名はどうすべきか
11.小児科と耳鼻科の微妙な関係
12.大学病院でやり残したこと
13.頼まれ仕事はするもんじゃない
14.やってきました、クレーマー
15.クリニックの選び方、教えます
16.「よう、儲かってる?」
17.小児医療はなかなか難しい
18.自由な時間をどう使うか
19.医師としての実力

Introduction
ちょっとした体調の悪化や風邪、花粉症など軽症の時に訪れるのが、街に点在するクリニックだ。症状がひどくなったり、重大な疾患が見つかった場合には大学病院や地域の中核病院を紹介してもらうことになる。こうした大病院で患者を診る医師は「勤務医」、クリニックの医師の多くは「開業医」である。
本書では、重病で大学病院で働けなくなった小児外科医が、残された道としてクリニックを開業するまで、そして開業医になってからの奮闘ぶり、クリニックを開設して初めてわかったことなどを、当人がユーモアを交えて語り尽くしている。千葉大学附属病院小児外科で20年弱勤務医として働いていた著者は、40歳で脳動脈瘤を発症。病棟勤務は無理と判断され、辞めざるを得なくなり、研究者の道を探るがポストが空いていないと断られる。困った著者は、ある研究所で就職相談をした折に、開業医という選択肢もあると教えられたことを思い出す。著者は1961年東京都生まれ。千葉大学附属病院にて小児がんの治療・研究に携わった後、2006年、千葉市に「松永クリニック小児科・小児外科」を開業した。