書籍
発刊 2022.11
社会保障制度の利用を阻む「申請主義」の壁とは
『15歳からの社会保障』
人生のピンチに備えて知っておこう!
横山 北斗 著 | 日本評論社 | 224p | 1,650円(税込)
Contents

1.ケガで仕事を休まなくてはならず、医療費と生活費に困ったユウジ
コラム1 ソーシャルワーカーってどんな人?
2.アルバイトができなくなり、生活費や家賃の支払いに不安を抱えているサトシ
3.住む場所がなく、食べるものに困ったシンジ
4.高校生で妊娠し、生活に困ったマミ
5.ひとりで子どもを育てることになったマサト
6.発達障害の子どもを育てるジュンとマコ
7.会社でハラスメントを受け、体調を崩したエミリ
コラム2 ハラスメントってなに?
8.交通事故で車イスが必要な生活になったノブオ
9.おばあちゃんと弟のお世話をしなければならないサクラ
コラム3 ヤングケアラーってどんな人?
10.家族から暴力を受けているミユキとトモキ

Introduction
コロナ禍による生活困窮者の救済をめぐり、あらためて国や自治体の社会保障制度に注目した方も多いのではないだろうか。だが、例えば代表的な社会保障制度である生活保護制度についても誤解や偏見が蔓延している現状がある。現在、日本にはどんな社会保障制度があり、いかなる課題があるのだろうか。
本書では、生活上のトラブルや困窮事例の架空エピソードを使い、適用可能な今ある社会保障制度の内容や対象などについて詳しく解説。傷病による急な入院、失職、望まぬ妊娠・出産、ハラスメント、若年介護などの苦境に対し、どのような救済、支援が用意されているのか、その周知や役所の対応などの問題を提起している。日本の社会保障制度は「申請主義」をとっており、対象者が自力で調べて書類を揃えるといった負担を強いられる。そのため、知らなかったために制度を使えず、ますます困窮するような事態も頻繁に起きているようだ。著者は、NPO法人Social Change Agency代表理事、「ポスト申請主義を考える会」代表。社会福祉士、社会福祉学修士。内閣官房孤独・孤立対策担当室HP企画委員会委員、内閣官房こども家庭庁設立準備室「未就園児等の把握、支援のためのアウトリーチの在り方に関する調査研究」委員も務める。