書籍
発刊 2022.12
ニクソンショックにFRB議長が賛同した理由とは
『ブレトンウッズ体制の終焉』
キャンプ・デービッドの3日間
THREE DAYS AT CAMP DAVID(2021)
ジェフリー・E・ガーテン浅沼 信爾 / 小浜 裕久 監訳 | 勁草書房 | 432p | 4,400円(税込)
Contents

1.幕開け
2.配役
3.その週末
4.終幕

Introduction
金融分野における歴史的事件はいくつか挙げることができるが、中でも1944年の「ブレトンウッズ協定」、1971年の「ニクソンショック」は、国際金融の枠組みを大きく転換したものとして、重要性が際立つ。後者の政策決定と発表がなされたのは大統領の保養地キャンプ・デービッドで行われた3日間の会議においてであった。
本書は、「ニクソンショック」「ドルショック」と呼ばれる米国リチャード・ニクソン大統領による政策決定が行われた1971年8月13日~15日のキャンプ・デービッド会議の全貌を描くノンフィクション。メリーランド州にある大統領保養地で開かれたこの会議では、1944年以来の「ブレトンウッズ体制」下の、いわゆる「金・ドル本位制」停止を含む政策パッケージが決められた。基軸通貨としてのドルの裏付けがなくなり、世界は固定為替相場制から、今日の変動為替相場制に移行していくことになる。同会議に出席したのは、ニクソン大統領、FRB(連邦準備制度理事会)議長、財務長官をはじめとする15人の専門性の高い政治家・官僚たちだった。著者はイェール大学経営大学院の名誉学長で、グローバル経済に関する講義を担当。クリントン政権の国際貿易担当商務次官、ブラックストーン・グループ常務取締役等を歴任した。