書籍
発刊 2022.12
エーザイはなぜ新興国に新薬を無償供与したのか
『新キャピタリズム時代の企業と金融資本市場『変革』』
「サステナビリティ」と「インパクト」への途
Contents

解題 コーポレートガバナンス改革から企業・金融資本市場の「新しい地平」へ
1.サステナブルファイナンス時代の到来と企業価値評価
2.サステナブルファイナンスの歴史的変遷と今後
3.株主主権下のサステナブル経営
  補論 米国のベネフィット・コーポレーション
4.「新SDGs」と「パーパス:志本主義」経営
5.サステナブル経営時代の役員報酬
6.ESGの「見えざる価値」を企業価値につなげる
  補論 持続可能な社会の一助となりうるインパクト加重会計
7.機関投資家の責任投資と環境、社会課題への取組み
  補論1 ESG評価にみる国内企業のESGへの取組みの現状と課題
  補論2 情報提供者からみた開示拡充への「期待」と「懸念」
8.人的資本の報告に対する関心の高まりと課題
  補論 従業員のファイナンシャル・ウェルネス向上
9.サステナビリティ情報開示と保証
10.資本主義の非物質化、脱炭素化と経済成長
11.インパクト投資:社会・環境課題解決型資金の流れ
12.企業と株主・投資家との新しい関係を探る

Introduction
金融分野におけるサステナビリティへの取り組みである「サステナブルファイナンス」に注目が集まっているが、ESG(環境・社会・ガバナンス)とどう向き合うか、多くの企業が頭を悩ませているのではないだろうか。直接的、短期的には利益に結びつかないESGの取り組みと収益事業のバランスをどう取るべきか。
本書では、サステナブルファイナンスをはじめとする「新しい資本主義」の動きと、その多岐にわたる論点を、22人の専門家が考察。2021年9月~2022年3月まで計7回開催された「サステナブルファイナンス3.0研究会」での議論と報告をベースとしている。サステナブルファイナンスという言葉は、ディアーク・シューメイカー、ウィアラム・シュローモーダ著『サステナブルファイナンス原論』(きんざい)に登場する。伝統的な財務価値と、環境・社会へのインパクトに対する企業のスタンスから、サステナブルファイナンスは1.0→2.0→3.0へと移行するという。編著者の加藤晃氏は、東京理科大学大学院経営学研究科技術経営専攻教授。ダイジェスト前半の筆者、北川哲雄氏は、青山学院大学名誉教授・東京都立大学特任教授。後半の筆者、柳良平氏はエーザイシニアアドバイザー、アビームコンサルティングエグゼクティブアドバイザー、早稲田大学大学院会計研究科客員教授を務める。