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発刊 アメリカ 2019.09
化石燃料と持続可能性の両立に挑んだ実業家
『シェール革命とサステナブル開発の先駆者 ジョージ・P・ミッチェル』
George P. Mitchell: Fracking, Sustainability, and an Unorthodox Quest to Save the Planet
Contents

1.木々との別れ
2.アイルランドの名を持つギリシャ人
3.ジョージ
4.恋する新入生の運命
5.「ミッチと呼んでくれ」
6.「お前の人生はどうしようもないやつで終わる」
7.ブッキーと大きな賭け
8.ビッグ9を越えて
9.高まる懸念
10.社会的な意識の目覚め
11.自らの経験と勘を頼りにする
12.ラフィットのゴールド
13.株式公開
14.都市の作り方
15.社内分裂
16.ガルベストンの再生
17.素粒子をめぐる夢
18.採掘の攻防
19.地上からの炎上
20.世界に響き渡るフラッキング
21.根強い疑心暗鬼
22.売却
23.引退未遂
24.ウェンディーズの望遠鏡
25.悠久の夕陽の中で釣りをする
26.メリットと反動

Introduction
2000年以降、「フラッキング」技術の発明により米国は天然ガス(シェールガス)の採掘量を急増させ、世界のエネルギー事情を一変させた。その先駆者がテキサス州にあったエネルギー企業「ミッチェルエネルギー開発」と、同社創業者で「フラッキングの父」と呼ばれたジョージ・P・ミッチェル(1919-2013)だ。
未邦訳の米国書籍である本書は、フラッキング(一般に水圧破砕法と呼ばれる)を発展させ、21世紀の米国に膨大な量の化石燃料資源をもたらした実業家、ジョージ・P・ミッチェルの評伝。ミッチェルは、1919年にテキサス州に生まれる。1980年代に、当時はまだ経済的な掘削方法が確立されていなかった「フラッキング」を用いて試削に着手し、15年以上の試行錯誤を経て、地下深部の岩盤層から化石燃料(主に天然ガス)を効率的に採掘する方法を見出す。また、自然を破壊する米国の都市開発に対する問題意識から、「ウッドランズ」という街の開発に取り組み、持続可能なコミュニティの先例を作った。著者のローレン・C・ステフィー氏は、作家、ジャーナリスト。ヒューストン・クロニクル紙の元ビジネス・コラムニストで、Fox Businessといった米国のビジネスニュース番組に多数出演している。