書籍
発刊 2022.10
日本人の日本での行為が米国法で裁かれる理由
『司法の国際化と日本 法のグローバリズムにどう対処する』
秋山 武夫 著 | 幻冬舎メディアコンサルティング | 312p | 1,430円(税込)
Contents

はじめに 急速に進む「司法の国際化」、日本に備えはあるのか
1.小さな政府と[民活]―民事訴訟を促して社会問題を解決
2.「独立自尊」
3.「自由競争」
4.「法理論よりも実利」(刑事)
5.「権威よりも良識」(陪審制)
6.「域外適用」
7.トータルリスクマネジメントとコンプライアンス
8.どうする日本

Introduction
国際取引の増大に伴い「司法」の世界にもグローバリゼーションの波が押し寄せている。そしてその中で、各国・地域で異なる法原則の、事実上国際標準となっているのが「米国法」だ。米国外における米国人以外による違法取引が、米国の法律で裁かれる「域外適用」も増えているという。どう対処したらいいのか。
本書では、長きにわたり大手商社法務部で、またニューヨーク弁護士として米国司法と格闘してきた著者が、豊富な事例をもとに、司法の国際化の実態とその根底にある米国特有の考え方を紹介。日本企業、日系企業、そして日本の司法の対処について論じている。例えば、米国の訴訟大国ぶりを示すのに引き合いに出されることの多い「マクドナルド・コーヒー事件」。自分がこぼしたマクドナルドのコーヒーで負ったやけどの責任を、販売したマクドナルドに求めて訴え、多額の賠償金を受け取ったという事件だが、これは「常識はずれ」ではなく、米国司法の真っ当な考え方によるものだという。著者はニューヨーク州弁護士。元ピルズベリー・ウインスロップ・ショー・ピットマン法律事務所シニアパートナー。1969年丸紅に入社、以来50年にわたり国際法務の現場で活躍した。