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発刊 アメリカ 2022.06
米国NYの複合芸術施設がめざす「分野融合」とは
『リンカーンセンター その世界レベルの芸術への貢献』
Beacon to the World: A History of Lincoln Center
Contents

1.アイデアの広がり
2.平和と理解のための大きな影響力
3.もはや夢ではなく、現実へ
4.永続するものを作る
5.友情の問題ではなく原則の問題である
6.オープニング・ナイトとアマチュア・ナイトの同時開催
7.呪われた遺産
8.説明責任と呼ばれるもの
9.文明社会が存続する限り栄える
10.夢が現実となる
11.革新的で、危険を冒すのを厭わず、冒険的で、芸術的な存在
12.夢を保留にしなければならない
13.より協力的なアプローチを望む
14.リルトとスウーンのアーバニズムへようこそ
15.彼女は牧場を賭ける
16.このためのプレイブックは無い

Introduction
世界屈指の大都市であるニューヨークには、多様な文化・芸術施設が存在している。その中で、オペラ、バレエ、オーケストラ、ジャズ、演劇などの舞台芸術において、世界中のアーティストや関係者が集う一大拠点となっているのが「リンカーンセンター」である。どのような歴史や特色があるのだろうか。
未邦訳の米国書籍である本書では、リンカーンセンターの成り立ちから現在までの歴史を、さまざまなエピソードを交えながら辿り、いかにこの施設が市民に親しまれ、また芸術の新しい地平を開こうとしているのかを詳説している。1950年代に慈善活動家のジョン・D・ロックフェラー3世を中心に構想されたリンカーンセンターは、1962年に最初の施設が完成し、その後メトロポリタン歌劇場などの主要施設がオープン。1980年代にはジャズとクラシックの融合を起こすなど、独自の芸術性を進化させ、米国、そして世界をも代表する複合芸術施設として発展を遂げた。著者のジョセフ・W・ポリシ氏は、リンカーンセンターに設置されている音楽教育機関「ジュリアード音楽院」の名誉学長。1984年~2018年まで、同校最長となる34年間にわたり学長を務めた。