

ピアニストの頂点の一つであるショパン国際ピアノコンクールにおいて、2021年に反田恭平氏が第2位となり、話題を集めた。1970年の内田光子氏と並ぶ日本人最高位である。「クラシック業界の風雲児」とも呼ばれ、以前からコンサートチケットが入手困難な反田氏。その歩みと展望はどんなものなのだろうか。

本書では、音楽家・反田恭平氏自らが、生い立ちから留学先での学び、ショパンコンクールの体験、手がけるビジネスや将来像までを語り尽くしている。転勤族の家庭で育った反田氏は、3歳の時に名古屋で通った音楽教室で「この子は耳が良すぎる」と言われ、4歳から東京でピアノのレッスンを受け始め、そこで「音を楽しむ」ことを教えられる。同時にサッカーに夢中だったが11歳の時に怪我で断念。以来ピアニストの道へ。高校3年生の時に日本音楽コンクールで第1位となり、その後モスクワ国立音楽院に留学、イタリアの国際コンクールで優勝し、デビューリサイタルではサントリーホールを満席にする。著者の反田恭平氏は1994年、札幌市生まれ。2016年1月のデビューリサイタルでは、2,000席のサントリーホールでチケットを完売。オンラインサロン「Solistiade」を主宰し、奈良を拠点にジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社を運営するなど、多彩な活動を展開している。