

少子化の波を受け、全国で小・中学校の統廃合が進んでいる。1学級の人数も少なくなった。また、そもそも学校の施設設備は、そのほとんどが児童や生徒のためのものであり、17時以降や土日祝日、長期休暇の間はあまり使われていない。こうした状況を逆手にとり、施設を有効活用するアイデアがある。

本書では、学校を、「教育」を中心に地域社会を活性化させる「ハコモノ」と捉え、それを民間企業連合(コンソーシアム)が運営する「地域交流デパートメント」として有効活用する著者の構想について詳説している。「地域交流デパートメント」は、教育活動に使われていない時間に、学校の施設を広く市民に開放し、そこで民間企業がそれぞれ得意とする分野の講座やレッスン、店舗などを開設するというもの。具体的には学習塾や生涯学習講座、スポーツ教室、健康相談、書店やレストランなどが想定されている。著者は神奈川大学人間科学部教授、総合システム研究所(株)代表取締役。スポーツ庁スポーツ施設ストック適正化検討委員、経済産業省・スポーツ庁の多様な世代が集うスタジアム・アリーナ選考委員、長野県「県立学校学習空間デザイン検討委員会」などの公職も務める。