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発刊 アメリカ 2022.06
東西陣営をつなぐトルコ、その外交の変化とは
『エルドアン支配下のトルコ』
揺れ動く「東西文明の十字路」の民主主義
Turkey Under Erdogan: How a Country Turned from Democracy and the West
Contents

イントロダクション 強者の戦略
1.「過去は別の国」ではない
2.冷戦下のトルコ
3.黄金時代
4.「ゼロプロブレム外交」
5.突然知った不都合な事実
6.エルドアンの勝利
7.新しいトルコ
8.「私たちのいわゆる戦略的パートナー」
9.権力の追求
7.ヨーロッパ:連携から敵対へ?
エピローグ 次はどうなる?

Introduction
アジアとヨーロッパ、そしてアフリカがクロスする要所に位置し、古くから「東西文明の十字路」と形容されてきたトルコ。近年は、ロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席らとともに権威主義的なリーダーと知られるエルドアン大統領の外交手腕が、国際情勢の変化を占う上で注目を集めている。
未邦訳の米国書籍である本書では、21世紀に入ってから今日までのトルコ政治の変遷を、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領の施政を中心に追っている。エルドアン氏は2003年に首相に就任、2014年には大統領に選出される。その後、2017年の憲法改正でトルコが議院内閣制から大統領制に移行し、改めて2018年にエルドアン氏が大統領になり権力を掌握した。エルドアン政権下で、軍事力などの「ハードパワー」によって国際的影響力を高めてきたトルコだが、今後は「ソフトパワー」が重要になると著者は主張している。著者のドミタル・べシェフ氏は、オックスフォード大学グローバル・地域研究学院(OSGA)講師。著書に“Rival Power: Russia in Southeast Europe”、共編書に“Russia Rising: Putin’s Foreign Policy in the Middle East and North Africa”がある。