新書・文庫
発刊 2022.03
“社内転職”で視野を広げたソニー元社長の挑戦
『人生の経営』
出井 伸之 著 | 小学館(小学館新書) | 192p | 880円(税込)
Contents

はじめに 定年という考え方をやめよう
1.サラリーマンこそ冒険しよう
2.左遷だって自らの糧にできる
3.変化の兆しをつかまえよう
4.培ったキャリアを外で活かす
5.ものづくり神話から脱却しよう
6.定年延長も退職金も要らない
7.ソニーに学んだ新しい企業の形
8.国内と対外の並列的な二重戦略に活路
おわりに あなたの人生のCEOはあなた自身

Introduction
2022年6月に逝去したソニー(現ソニー・グループ)元会長兼グループCEOの出井伸之氏は、同社にとって事実上最初の新卒入社のサラリーマン経営者だった。1999年に14人抜きで同社6代目社長となり、周囲から「10年早い」と言われながら、アナログを強みとしてきたソニーをデジタル企業に変革しようと奮闘した。
本書は、出井氏が、ソニー時代を中心に自らの人生を振り返りながら、サラリーマンのキャリアの積み上げ方について持論を展開している。技術者集団のソニーの中で、文系出身だった著者は自ら望んで次々と部署を異動し、広い視野を獲得することで居場所を築いたという。こうした挑戦ができる点において、サラリーマンはローリスクでリターンを得られる素晴らしい職種だとも指摘している。著者の出井伸之氏は、ベンチャー企業の育成支援などを行うクオンタムリープ株式会社のファウンダーで、本書執筆当時、同社代表取締役会長だった。1937年東京都生まれ。1960年ソニー入社。主に欧州での海外事業に従事した後、オーディオ事業部長、コンピュータ事業部長などを歴任し、1995年に社長就任。2000年から2005年まで会長兼グループCEO。退任後、2006年にクオンタムリープを設立した。