書籍
発刊 2022.04
社会変化に伴い登場した新しいラグジュアリー
『新・ラグジュアリー 文化が生み出す経済 10の講義』
Contents

1.「新しいラグジュアリー」の時代は静かに始まっている
2.「旧型」のラグジュアリー
3.新しいラグジュアリーと「意味の創造」
4.ラグジュアリーとロマン主義
5.日本のラグジュアリー
鼎談 最先端から見える「ラグジュアリー」の向かう場所
6.「ラグジュアリーマネジメント」が教えるもの
7.文化盗用 ―文化的な植民地からの解放
8.「アート」が持つ意味
9.サステナビリティをラグジュアリーから見る
10.もうひとつのあり方、もうひとつの視点
おわりに 「科学と心の融合」の時代における人文学の復権

Introduction
日本語では「ぜいたくな高級品」と解釈される「ラグジュアリー(luxury)」。エルメスやルイ・ヴィトンといった高級ブランドを思い浮かべる人も多いだろう。だが近年、世界ではそういった従来のイメージとは異なる、新しいラグジュアリーの概念が浸透しつつあるという。では、実際にどう変わってきているのだろうか。
本書では、ラグジュアリーをめぐる新しい世界の潮流、国内外のラグジュアリースタートアップや既存のラグジュアリーブランドの動きなどを、さまざまな切り口で紹介。時代に求められる「新しい価値」を生み出すラグジュアリーの本質を深く考察するとともに、欧州などさまざまな地域の大学で行われている「ラグジュアリーマネジメント」の教育についても詳説している。新しいラグジュアリーとは、富裕層が自らを飾るためのものではなく、文化に基づき、あらゆる人々の生活や考え方、そして社会そのものを変えていくソーシャルイノベーションのひとつなのだという。著者の安西洋之氏はモバイルクルーズ株式会社代表取締役/De-Tales Ltd.ディレクターであり、東京とミラノを拠点とした「ビジネス+文化」のデザイナー。著書に『メイド・イン・イタリーはなぜ強いのか』(晶文社)、共著に『デザインの次に来るもの』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。中野香織氏は著述家、株式会社Kaori Nakano代表取締役。英国文化を起点とし、ダンディズム史、ファッション史、モード事情、ラグジュアリー領域へと研究範囲を広げてきた。『「イノベーター」で読むアパレル全史』(日本実業出版社)など著書多数。