書籍
発刊 2022.05
欧米の企業が「人的資本」の開示を進める理由
『経営戦略としての人的資本開示』
HRテクノロジーの活用とデータドリブンHCMの実践
Contents

序.人的資本の開示と企業価値の向上
1.資本主義の大転換 ―人的資本が企業価値の源泉になる
2.人的資本開示の世界的潮流 ―欧州、米国、そして日本
3.人的資本経営の実現とHRテクノロジーの活用
4.会計学からのアプローチ ―無形資産の価値をどう捉えるか
5.人的資本開示分析の方法論
6.企業価値向上のための3つの提言
事例編

Introduction
岸田文雄首相は2022年1月の施政方針演説において「新しい資本主義」実現を掲げ、そのための方策の一つとして「人への投資」の抜本的強化を挙げた。そして「人的資本」を含む非財務情報の開示ルールを2022年中に策定することを明言した。この「人的資本開示」をめぐる現状はどうなっているのだろうか。
本書は、企業経営に関する世界的な潮流であり、日本企業も対応が不可避である「人的資本開示」および「人的資本経営」の包括的ガイドブック。国際的な動きや国内外の取り組み事例を紹介しながら、人的資本開示の基本的な考え方と具体的な戦略策定のヒントを提供する。人的資本とは、個人の能力やスキルを、企業価値を高めるための「資本」と捉える考え方。人的資本開示は、採用、研修、多様性の確保などの計画や実行状況、リーダーシップやエンゲージメントに関する数値化されたデータなどを、株主をはじめとするステークホルダーに開示することを指す。編者の一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアムは、HRテクノロジー活用と人的資本情報開示の普及のため、法人・個人会員と政・学・官のオープンな連携、業種業態を超えて中立的でオープンなディスカッション等を行う団体。本書は7名が執筆を担当している。