書籍
発刊 2022.04
伝説の外交官がアフガン・イラクに残した功績
『危機の外交 岡本行夫自伝』
岡本 行夫 著 | 新潮社 | 478p | 2,420円(税込)
Contents

刊行に寄せて 岡本さんの思い出 北岡伸一
1.父母たちの戦争
2.日本人とアメリカ人
3.敗者と勝者の同盟
4.湾岸危機――日本の失敗、アメリカの傲慢
5.悲劇の島――沖縄
6.イラク戦争――アメリカの失敗、日本の官僚主義
7.難しき隣人たち――日本外交の最大課題
8.漸進国家・日本
さいごに 日本の目指す道
あとがきにかえて 岡本代表のライフワーク 澤藤美子

Introduction
2020年4月24日、日米同盟を軸とした日本外交に卓越した業績を残した元外交官がこの世を去った。岡本行夫氏、74歳。新型コロナウイルス感染症による急逝だった。外務官僚としてだけでなく、内閣官房参与、首相補佐官として政権を支えつつ、湾岸、アフガン、イラク、沖縄など難しい外交の最前線に立ち続けた。
本書は、岡本行夫氏が生前書き遺した自伝。両親の戦争体験や自らの生い立ちから始まり、外交官としてのさまざまな現場での活躍、その時々の国際情勢や日本外交のあり方など幅広く語り尽くしている。とりわけ9.11後のアフガニスタン侵攻やその後のイラク戦争における、日本の国際貢献や復興支援にあたっては八面六臂の活躍を見せた。その姿勢は一貫して、日本の安全保障のための日米関係のあるべき姿を追求するものであった。著者である岡本行夫氏は、1968年に外務省入省。1991年に退官し、岡本アソシエイツを設立した。橋本内閣、小泉内閣と2度にわたり首相補佐官を務め、外務省と首相官邸で湾岸戦争、イラク復興、日米安全保障、経済案件などを担当した。シリコンバレーでのベンチャーキャピタル運営にも携わった。