新書・文庫
発刊 2022.04
巨大IT企業が福利厚生に取り入れる卵子凍結とは
『妊娠の新しい教科書』
堤 治 著 | 文藝春秋(文春新書) | 224p | 902円(税込)
Contents

はじめに 不妊治療大国ニッポン
1.妊娠の常識が変わる
2.妊娠成立の仕組み
3.不妊治療を受ける前に
4.不妊治療の現在地
5.生殖医療の最前線
6.拡張する生殖医療
7.保険適用で変わる不妊治療
おわりに 皇后雅子さまの安産にあやかる

Introduction
日本においてさらなる少子化の進行を止めるには、「産みたい時に子どもを産める」社会環境とともに、不妊に悩む人たちの治療やそれを支援する仕組みを整えなければならない。それに鑑みて厚生労働省は2022年4月から、条件付きながら不妊治療への保険適用を始めた。妊娠を取り巻く状況は変化しつつある。
本書では、皇后雅子さまの愛子さまご出産に際し東宮職御用掛として主治医を務めた生殖医療の権威が、妊娠および不妊治療をめぐる最新事情を解説。妊娠成立の仕組み、不妊治療の最新技術や、保険適用をはじめとする体制整備、家族計画を意識して男女ともに健康管理を行う「プレコンセプションケア」などについて網羅的かつわかりやすく伝えている。健康な女性が加齢しても出産が可能にするための「社会的卵子凍結」について、アメリカでは広く普及しておりフェイスブック(現・メタ社)などの企業が助成制度を設けたりしているが、日本では学会によって推奨するか否かが異なっているようだ。著者は東京大学医学部産婦人科教授を経て、2008年から山王病院病院長、国際医療福祉大学大学院教授。2021年より山王病院名誉病院長。日本受精着床学会、日本産科婦人科内視鏡学会の理事長を歴任。