海外書籍・雑誌
発刊 アメリカ 2022.03
理系女性たちの道を切り開いた炭素科学の女王
『炭素科学の女王』
ナノ科学を切り拓いたミルドレッド・ドレッセルハウスの生涯
Carbon Queen: The Remarkable Life of Nanoscience Pioneer Mildred Dresselhaus
Contents

1.ダイヤモンドの原石
2.頭脳と楽しさ
3.教えるのか教えないのか
4.多くの出会い
5.花開く才能
6.mens et manus
7.ナノの世界へようこそ
8.炭素の「動物園」
9.見本となって示す
10.消えることのない遺産

Introduction
環境問題の解決に有効と目される機能性材料の研究が世界中で進んでいる。中でも注目されるのが「炭素材料」だ。日本ではあまり知られていないが、世界の炭素研究において、現代の応用へとつながる数々の科学的発見をし、中心的な役割を果たした女性研究者がいる。ミルドレッド・ドレッセルハウスである。
未邦訳の米国書籍である本書は、炭素材料に関する多岐にわたる研究成果により、「炭素科学の女王(Carbon Queen)」と称されたミルドレッド・ドレッセルハウスの評伝。ドレッセルハウスは、ニューヨーク出身で1930年生まれ。シカゴ大学で博士号を取得し、コーネル大学研究員を経て、マサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学教授を長年務めた。また、米国物理学会会長、米国科学振興協会会長、科学技術庁長官などを歴任し、米国の科学教育の発展や女性科学者の育成にも貢献。2017年に逝去した。著者のマイア・ウェインストック氏は、MIT Newsの副編集長で、STEM分野の女性活躍の歴史に関する講師をMITで務めている。