新書・文庫
発刊 2022.02
チェーンストアは本当に「街の個性」を奪うのか
『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』
谷頭 和希 著 | 集英社(集英社新書) | 240p | 924円(税込)
Contents

序.日本中がチェーンストア
1.なぜ過剰な外観は生まれるのか
2.都市のなかの「ジャングル」
3.チェーンストアは新たな地域共同体である
4.ドンキから見える日本のいま
終.チェーンストアの想像力

Introduction
現代日本で生活する限り、コンビニやスーパー、ドラッグストア、ファミレスなど「チェーンストア」の利用は避けて通れないだろう。毎日のように訪れる人も少なくないはずだ。チェーンストアには、街を均質化し、その個性や培われてきた文化を奪うといった批判がつきまとう。その批判は妥当なのだろうか? 
本書では、成長著しいディスカウントストアチェーン「ドン・キホーテ」を題材に、チェーンストアが都市のあり方や人々の「共感性」に与えた影響を、文化人類学、社会学、建築学などの理論をもとに考察。チェーンストア界の異端児とも言われるドン・キホーテの特徴の一つに、店舗の飾りとして、同店のマスコットキャラクター「ドンペン」があしらわれていることがある。店によって異なる意匠のドンペンが、チェーンストアの存在意義などを探る上で重要な鍵になるのだという。著者は1997年生まれのライター。早稲田大学教育学術院国語教育専攻に在籍。デイリーポータルZ、オモコロ、サンポーなどのウェブメディアにチェーンストア、テーマパーク、都市についての原稿を執筆している。