アンメルツ、ブルーレット、サワデー、熱さまシート、消臭元etc.それまでになかった衛生日用品を誰もが知るヒット商品に育て上げてきた小林製薬。「“あったらいいな”をカタチにする」をキャッチフレーズにニッチな市場を開拓し、2021年12月期まで24期連続増益を達成している。その経営戦略はいかなるものなのだろうか。
本書では、四代目社長として小林製薬を率い現在は会長を務める小林一雅氏が、同社の製品開発、マーケティング、組織・人材マネジメント等の成功戦略を明かしている。同社は、新製品の開発にあたっては、ニッチなマーケットを開拓し、他に先駆けてシェアを獲得する「小さな池の大きな魚」戦略をとり、製品コンセプトやネーミング、マーケティング、広告等においては、徹底した「わかりやすさ」を追求しているのだという。著者の小林一雅氏は小林製薬会長。小林製薬二代目社長・小林三郎氏の長男に生まれ、大学卒業後、1962年に同社に入社。66年取締役、70年常務取締役を経て、76年12月に社長に就任。医薬品の卸業だった小林製薬を衛生日用品・医薬品のメーカーへ転換、事業を伸展させた。2004年から現職。