書籍
発刊 2021.12
子どもを自立した学習者にする小学校の取り組み
『個別最適な学びと協働的な学び』
奈須 正裕 著 | 東洋館出版社 | 312p | 2,200円(税込)
Contents

1.令和の日本型学校教育
2.子どもが自立的に学び進める学習
3.近代学校の子ども観とその問い直し
4.すべての子どもは有能な学び手
5.子どもは一人ひとり違っている
6.自己決定的学習と環境による教育
7.ICTという新たな道具立てを得て
8.教師の専門性を問い直す

Introduction
次代を担う子どもたちを育成する学校教育。教育関連業界以外のビジネスパーソンが思っている以上に、日本の初等中等教育は時代に合わせてアップデートし続けている。直近の動きで注目されるのが、2021年1月に公表された中央教育審議会(中教審)答申で提起された「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」だ。
本書では、山形県天童市立天童中部小学校における教育実践の紹介を軸に、中教審答申で示された個別最適な学び、協働的な学び、および両者の一体的な充実について、天童中部小学校の取材、教育学や心理学の知見、他校の実践報告や寄稿、座談会、インタビューをもとに深く考察、教師が子どもたちのために何ができるかなどを論じている。天童中部小学校は山形県天童市の中心部に位置する29学級、児童数667名(令和3年度)の大規模校。子どもが自主的に、自立して学び進めるユニークなプログラムを導入している。著者は、上智大学総合人間科学部教育学科教授。神奈川大学助教授、国立教育研究所教育方法研究室長、立教大学教授などを経て2005年より現職。現行の学習指導要領等に関して、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会をはじめ、多数の会議、懇談会等で重要な役割を担った。