新書・文庫
発刊 2021.10
AI+ARで実現する「ミラーワールド」の可能性
『5000日後の世界』
すべてがAIと接続された「ミラーワールド」が訪れる
ケヴィン・ケリー 著 | 大野 和基 インタビュー・編 服部 桂 訳 | PHP研究所(PHP新書) | 212p | 1,045円(税込)
Contents

1.100万人が協働する未来
2.進化するデジタル経済の現在地
3.すべての産業はテクノロジーで生まれ変わる
4.アジアの世紀とテック地政学
5.テクノロジーに耳を傾ければ未来がわかる
6.イノベーションと成功のジレンマ
あとがき(大野和基) 楽観主義者であるということ
訳者解説(服部桂) ケヴィン・ケリーにはなぜ未来が見えるのか?

Introduction
現在のものにつながる最初のウェブブラウザMosaicが誕生した1993年を起点とすると、インターネットが普及し始めてから、およそ1万日が経過したことになる。また、初代iPhone登場とSNSの拡大開始からは、その半分の約5000日だ。偶然かもしれないが5000日ごとに進化するテクノロジー。今から5000日後にはどうなるのか。
本書では、GAFAなど巨大企業による「勝者総取り」現象やフリーミアム経済などを1990年代に予測していた編集者、著述家のケヴィン・ケリー氏が、「ミラーワールド」をはじめとする、近未来のテクノロジー進化を描き出す。さらにビジネスや産業、働き方、地政学などの変化も予測しながら、ケリー氏自身のテクノロジー観や思考法にも触れている。ケリー氏が予言するミラーワールドとは、AIとAR(拡張現実)技術を用いて現実を模した「もう一つの世界」を作り出し、そこで人々がコミュニケーションやコラボレーションを行うというものだ。著者のケヴィン・ケリー氏は、1993年に雑誌『WIRED』を共同で設立、創刊編集長を務めた。現在は編集長としてウェブサイトCool Toolsを運営するほか、『NYTimes』や『サイエンス』などに寄稿。主著に『〈インターネット〉の次に来るもの』(NHK出版)がある。なお本書は2019年から20年にかけて行われたケリー氏へのロングインタビューをもとにしている。