書籍
発刊 2021.10
権利行使できる強い「オオカミ特許」を獲るには
『オオカミ特許革命 事業と技術を守る真の戦略』
田所 照洋 著 | 技術評論社 | 320p | 2,948円(税込)
Contents

1.事業や技術を守るべき発明が、
  権利行使できない特許になってしまう日本
2.特許の誤った固定観念と、それを打破する意識革命
3.オオカミ特許を獲るための肝「特許請求の範囲」
4.「拒絶理由通知」にひるむな! 審査での権利化戦略
5.公正な判断をあおぐ 「拒絶査定不服審判」
6.「補正」で特許を変幻自在に操れ!
7.特許の可能性を大きく広げる! 「分割出願」
最終.プロパテントカンパニーへの道
  「オオカミ特許プロジェクト」のご提案

Introduction
事務機器大手のリコーは、かつてキヤノンよりも3日早くバブル方式インクジェットプリンタの基本特許を出願したが、ほぼ同じ仕組みのキヤノンの製品を特許権侵害で訴えなかった。その理由は、リコー特許の権利がおよぶ範囲の狭さにあったと言われている。結果、キヤノンの製品が市場を制し、リコーは大失敗したことになる。
本書では、権利行使できない(模倣等の侵害に対し訴訟を起こせない)弱い特許を「ヒツジ特許」、逆に権利行使ができる強い特許を「オオカミ特許」と呼び、日本企業が多くのオオカミ特許を登録し、自社の技術や事業を守るにはどうすればいいかを論じている。著者の試算で日本特許の95%を占めるというヒツジ特許は、特許による権利保護の対象となる権利範囲が狭いため、発明を少し変えただけの模倣品でも権利侵害で訴えられないのだという。著者は株式会社リコー知的財産部門で、発明発掘、特許出願、権利化、権利行使、米国特許訴訟、ライセンス交渉、知財戦略策定、等の知財実務と知財マネジメントを担当。2017年にリコーの知的財産担当審議役を退任後、知的財産・経営コンサルタントとして事業と技術を守る真の戦略を説き続けている。