書籍
発刊 2021.09
お金よりも「労働」への着目で見える経済の本質
『お金のむこうに人がいる』
元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門
田内 学 著 | ダイヤモンド社 | 272p | 1,760円(税込)
Contents

はじめに 経済の専門用語は「ごまかす時」に使われる
1.なぜ、紙幣をコピーしてはいけないのか?
2.なぜ、家の外ではお金を使うのか?
3.価格があるのに、価値がないものは何か?
4.お金が偉いのか、働く人が偉いのか?
5.預金が多い国がお金持ちとは言えないのはなぜか?
6.投資とギャンブルは何が違うのか?
7.経済が成長しないと生活は苦しくなるのか?
8.貿易黒字でも、生活が豊かにならないのはなぜか?
9.お金を印刷し過ぎるから、モノの価格が上がるのだろうか?
10.なぜ、大量に借金しても潰れない国があるのか?
最終.未来のために、お金を増やす意味はあるのか?
おわりに 「僕たちの輪」はどうすれば広がるのか?

Introduction
経済を「お金の動き」を中心に捉える人は多い。だが、お金だけを見ていると、マネーゲームに目を奪われ、実体経済が見えづらくなる。さらに「人々をより幸せにする」という経済の本来の目的が忘れられ、富の集中による格差などさまざまな社会問題の解決が難しくなる。では、経済をどう見るべきなのだろうか。
本書では、元ゴールドマン・サックス金利トレーダーである著者が、お金と経済について徹底的に考えた末にたどりついたシンプルな経済の大原則を解説するとともに、それに則して、年金、国の借金などの社会問題をどう解決すべきかのヒントを提供している。その大原則が書名にもなっている「お金のむこうには必ず人がいる」というもの。生産や消費の裏には誰かの「労働」があり、それを踏まえたお金の流れを見ることが、経済を正しく理解するために必要なのだという。著者は2003年ゴールドマン・サックス証券株式会社入社。以後16年間、日本国債、円金利デリバティブ、長期為替などのトレーディングに従事。2019年に退職し、現在は子育てのかたわら、中高生への金融教育に関する活動を行っている。