新書・文庫
発刊 2021.09
警察が「市民生活を助ける」のは世界で日本だけ
『警察庁長官』
知られざる警察トップの仕事と素顔
野地 秩嘉 著 | 朝日新聞出版(朝日新書) | 248p | 891円(税込)
Contents

はじめに 増え続ける警察の仕事
1.警察とその組織
2.警察の現在動向
3.警察の成り立ちと警察庁長官の原型となった3人の長官
4.警察庁長官の仕事と資質
5.元長官たちの話 -長官になるのに必要なキャリアとは何か
6.警視総監が見た警察庁長官
おわりに 長官の資質について

Introduction
日常生活の中で、警察官の姿を見かける機会は多い。公共の安全と治安の維持を目的に、国内では約30万人の警察官が職務にあたっている。海外の警察は犯罪捜査に特化している例が多いのに比べ、日本の警察はクマの出没や隣家の騒音など、市民の困りごと全般にまで対応するようになってきているという。
本書では、5人の元警察庁長官と1人の元警視総監のインタビューに加え、さまざまな資料をもとに、近年の日本の警察の動向や職務、業務の変化、警察庁長官に求められる資質や行動などをルポしている。市民の困りごとへの対応に加え、振り込め詐欺や特殊詐欺の増加、防犯カメラやITの普及などにより、警察官の業務の種類は増加を続けている。警察が限られたリソースの中で職務をまっとうするためには、警察の仕事の領域を明確にすることが必要なようだ。著者はノンフィクション作家。出版社勤務を経て、現在は人物ルポルタージュ、ビジネス、食、美術、海外文化など幅広い分野で執筆を続ける。『スバル ヒコーキ野郎が作ったクルマ』(プレジデント社)、『超一流たちの「決断の瞬間」ストーリー』(ワニブックスPLUS新書)、『京味物語』(光文社)ほか、著書多数。