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発刊 アメリカ 2021.01
ADHD症状軽減は「切り替え」のコントロールから
『私たちが「ADHD」について知っておきたいこと』
最新研究でわかってきたADHDのメカニズムと有効な対処法
ADHD 2.0: New Science and Essential Strategies for Thriving with Distraction--from Childhood through Adulthood
Contents

1.特性のスペクトラム
2.脳内の悪魔を理解する
3.小脳との関連
4.「つながること」の癒す力
5.自分にとって正しい困難を見つける
6.最高の環境を整える
7.エクササイズの効果
8.薬物治療:誰もがためらう強力な治療手段
9.自分なりのスタイルを見つけて、それを実現する

Introduction
「ADHD(注意欠陥・多動性障害)」という用語は、この十数年ほどでメディア等で広まり、一般にも知られるようになった。学校の教室でじっとしていられないなど、当初は子どもの発達障害の一つとして捉えられていたが、成人しても障害に苦しむケースも少なくないことが認識されるようになってきた。
未邦訳の米国書籍である本書では、1990年代にADHD(当時の名称はADD)を世界に広く紹介した『Driven to Distraction(邦題:へんてこな贈り物)』を著した2人の精神科医が、これまでにわかってきているADHDについての知見とともに、ADHDのデメリットを低減しながらメリットを生かす方法を提言している。ADHDには、注意欠如、多動、衝動性といった社会不適合を引き起こす特性がある一方で、突如驚くべき集中力を発揮したり、創造的なアイデアを次々に生み出したりといった有益な特性もあるという。後者を役立てるには、どうしたらいいのだろうか。著者のエドワード・M・ハロウェル氏は、ハーバード大学医学部講師を経て、ハロウェルADHDセンターを設立したADHDの世界的権威。ジョン・J・レイティ氏は神経精神医学の専門家でハーバード大学医学部臨床精神医学准教授。両名とも自身がADHDである。