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発刊 アメリカ 2021.09
米国MITはなぜ3万社の起業を実現できたのか
『MITの起業教育』
“草の根”の取り組みで成長したマサチューセッツ工科大学の「起業エコシステム」
From the Basement to the Dome: How MITs Unique Culture Created a Thriving Entrepreneurial Community
Contents

1.肥沃な大地を築く
2.アントレプレナーシップ促進のための初期の取り組みまで
3.インターネット時代とアントレプレナーシップへの関心の高まり
4.偶発的なものから目的のあるものへ
5.カルチャーフィットとアントレプレナーシップの成長
6.セレンディピティの役割
7.起業家の育成、学生起業への支援
8.技術移転のためのアントレプレナーシップ
9.MITのアントレプレナーシップがもたらす外部への影響
10.起業家予備軍の育成
11.得られた教訓
エピローグ Covid-19に対応するMITの起業家エコシステム

Introduction
日本では知られていないが、マサチューセッツ工科大学(MIT)では、アントレプレナーシップ(起業家精神)を涵養する教育や支援体制が充実している。これまでの卒業生による起業が現存するだけで約3万社に上り、その売上合計は世界第10位のGDPに匹敵するという。どんな取り組みがなされているのだろうか。
未邦訳の米国書籍である本書では、MITのアントレプレナーシップに関する取り組みの歴史を振り返り、その全体的な特長や、具体的な教育方法、同大学のモットーや伝統的価値観、カルチャーとの関わりなどを論じている。MITでは、「Mind and Hand」を意味するラテン語の「Mens et Manus」をモットーとしており、理論と実践の双方を重視する教育が行われている。起業家教育においても、スタートアップと学生が協力して問題解決を図るなど、実際に手を動かしながら(行動しながら)柔軟に物事に対処する力の養成を重視しているようだ。著者のジャン・ジャック・デグルーフ氏はベンチャー投資家、起業教育や老化学に関するフィランソロピスト(慈善事業家)として活躍。MITスローン経営大学院で修士号と博士号を取得している。