新書・文庫
発刊 2021.09
受け身で「職場での成長」を求める若者社員たち
『なぜ若者は理由もなく会社を辞められるのか?』
中野 雅至 著 | 扶桑社(扶桑社新書) | 256p | 968円(税込)
Contents

はじめに 間もなく、若者に逆襲される日本企業の皆さんへ
1.本格化する若者激減時代
2.甘い経営者と中高年管理職の認識
3.若者は弱いか?
4.日本を衰退させる若者の仕事観
5.日本を再浮上させる若者の仕事観
6.若者はなぜ「成長」したがるのか?
7.もはや小中高と大差ない大学
8.若者を有効活用できている企業がやっていること
9.今の若者に欠けているもの
おわりに 日本企業は大学より遅れている?

Introduction
コロナ禍による一時的な採用絞り込みの動きはあるものの、近年の日本では、生産年齢人口減少などの影響を受け、企業の「人手不足」が深刻になっている。それなのに、やっとの思いで採用した新卒の若者がすぐに辞めてしまう、といった嘆きがよく聞かれる。なぜ彼らはせっかくの就職をふいにしてしまうのか。
本書では、中高年からはなかなか理解されない現代の若者の仕事やキャリアに対する考え方やその変化、それに影響する大学教育の実態などについて、調査データと著者自身の経験をもとに考察。現代の若者の多くは職場での「成長」を重視するが、それは「受け身」のものであり、企業が「成長させてくれる」ことを望む。それが叶わず、主体的な努力が必要な厳しい職場であることがわかると、躊躇なく辞めてしまうのだという。著者は神戸学院大学現代社会学部教授。経済学博士。旧労働省に入省し、厚生労働省大臣官房国際課課長補佐(ILO条約担当)等を経て、兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科教授。2014年から現職。