

現代では、クラウドファンディングで商品ができるまでの過程を応援してお金を出したり、企業やブランドの創業までの物語や理念、こだわりに共感して商品を購入したりすることが珍しくない。このようなプロセス(過程)に価値を見出す消費傾向に対応した経済活動は、「プロセスエコノミー」とも呼ばれている。

本書では、完成品だけでなく、その制作過程を公開して課金したり、マーケティングに利用したりする「プロセスエコノミー」が台頭する社会的背景やメリット、その価値観や発想が広まることで企業や社会、個人はどう変わっていくか、実践方法などを、事例を用いながら多角的に論じている。プロセスエコノミーの実践、たとえば動画サイトで公開するコンテンツを制作する際などには、「What」(アウトプットの内容)のみならず、企業や個人の「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)を前面に打ち出すことがポイントなのだという。著者はフューチャリスト、藤原投資顧問 書生。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab、取締役)、コーポレイトディレクション、サイバード、電子金券開発、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業に従事した。