海外書籍・雑誌
発刊 イギリス 2020.09
英国史から読み解く「人が帽子をかぶる理由」
『英国の歴史を作った「帽子」列伝』
The Hats that Made Britain: A History of the Nation Through Its Headwear
Contents

マスコビーハット
ハクシーフード
キャップ・オブ・メンテナンス
ザ・ラム
カンタベリーキャップ
キッパー
フラットキャップ
ペストドクター帽
トリコーン
バイコーン
タム・オ・シャンター
グレンガリー
トップハット
(他、全50項目)

Introduction
聖徳太子が制定したとされる「冠位十二階」のように、太古から、帽子や冠といった頭部の装飾品が身分や階級、社会的ステイタス、職業を表す例は世界中に見られる。さらに帽子は、各国・地域の文化や慣習、社会体制などと深く結びついている。これまでに、そうした結びつきはどう変化してきたのだろうか。
英国で刊行された未邦訳書籍である本書では、中世から現代までに登場し、多くの人々に着用された50種の帽子を取り上げ、その特徴や起源、流行の経緯、英国を中心とする歴史との関わり、社会の中での位置づけなどを掘り下げている。かぶる人の身分階級や職業、思想などを示すシンボルとしても働く帽子は、英国では、王冠の代わりに儀式などで着用されたキャップ・オブ・メンテナンスをはじめ、トップハット、フェドーラ(中折れ帽)など、王室との関わりがとくに深かったようだ。著者のデビッド・ロング氏は、英国の作家・ジャーナリスト。「The Times」や「London Evening Standard」に定期的に寄稿するほか、テレビやラジオでも活躍している。ロンドンに関する書籍を多数執筆。