ジョー・バイデン氏が勝利を収めた2020年の米国大統領選で、民主党副大統領候補だったカマラ・ハリス氏も当選し、女性、黒人、アジア系いずれも初の米国副大統領誕生として話題を集めた。地方検事、州司法長官、上院議員としてさまざまな改革に取り組んできた同氏は、どのような人物なのだろうか。
原書が2019年に刊行された本書は、当時上院議員だったカマラ・ハリス現米国副大統領が、それまでのキャリアや、その中で培われた信条・信念・価値観を語る自叙伝。1964年、ジャマイカ出身の父親と、インドからの移民だった母親の間に生まれたハリス氏はロースクールを修了後、地方検事補として司法の道に入る。地方検事として犯罪者の社会復帰プログラムを創設し、州司法長官として金融危機後の住宅差し押さえ問題に関して大手銀行たちと対決し、歴史的和解を勝ち取ったハリス氏は、国民、とくに中産階級の人々が訴える苦しみに常に耳を傾け、持ち前の行動力を発揮してその解決に尽力してきた。著者のカマラ・ハリス氏は、アラメダ群地方検事補、サンフランシスコ地方検事、カリフォルニア州司法長官、連邦上院議員(黒人女性として史上二人目)を歴任し、2021年1月、米国副大統領に就任した。