国家安全保障に関わる情報機関の本当の役割とは
『なぜ、インテリジェンスは必要なのか』
1.なぜインテリジェンスを知る必要があるのか
2.インテリジェンスとは何か
3.インテリジェンス理論に体系はあるのか
4.インテリジェンスの定義、機能に関連する様々な問題
5.インテリジェンス・プロセス
6.インテリジェンス・コミュニティ(1)
7.インテリジェンス・コミュニティ(2)
8.インフォメーションの収集
9.インフォメーションの分析
10.カウンターインテリジェンス
11.秘密工作活動
12.インテリジェンス・コミュニティに対する民主的統制
13.インテリジェンスの課題
日本が他の先進国に後れをとっているとしばしば指摘されるものの一つに「インテリジェンス」がある。一般に、国の安全保障に資する情報を指す言葉として認識されるが、その定義は、学術的にも実務的にも定まっているわけではないという。ではわれわれは、インテリジェンスをどう理解すればいいのだろうか。
本書では、インテリジェンスを「国家安全保障に関する政策決定を支援する政府内のシステム」等と位置付け、インテリジェンスと、インテリジェンスに関する学術理論を俯瞰的に解説。そもそもインテリジェンスとは何か、どのように機能しているのか、日米をはじめとする各国・地域のインテリジェンスの実態、インテリジェンスの課題などを網羅することで、インテリジェンスに関する実務と理論の全体像を浮かび上がらせている。インテリジェンス部門はあくまで政策判断のために客観的な情報を提供する役目を担い、政策立案・判断に関与してはならないのだという。著者は明治大学公共政策大学院(専門職大学院)ガバナンス研究科 特任教授。インテリジェンス、テロリズム、社会安全政策等を専門とする。在米国日本国大使館参事官、警察庁国際組織犯罪対策官などを経て、2016年3月からは内閣情報調査室の内閣情報分析官(国際テロ担当)としてテロ情勢分析に従事した。2019年4月より現職。