新書・文庫
発刊 2021.04
コロナ後も警戒すべき動物由来のウイルスとは
『京大 おどろきのウイルス学講義』
宮沢 孝幸 著 | PHP研究所(PHP新書) | 222p | 1,023円(税込)
Contents

1.「次」に来る可能性がある、動物界のウイルス
2.人はウイルスとともに暮らしている
3.そもそも「ウイルス」とは何?
4.ウイルスとワクチン
5.生物の遺伝子を書き換えてしまう「レトロウイルス」
6.ヒトの胎盤はレトロウイルスによって生まれた
7.生物の進化に貢献してきたレトロウイルス

Introduction
2020年からの長期にわたるパンデミックにより、世界中の多くの人々が「ウイルス」に関心を持つようになった。人間に害を及ぼさないものを含め、地球上には膨大な種類のウイルスが生息している。もし新型コロナウイルス感染症が終息したとして、「次」にどんなウイルスがわれわれの生活を脅かすのだろうか。
本書では、獣医学者でもあるウイルスの専門家で新型コロナウイルスに関する発言も多い著者が、今回のCOVID-19の「次」に来るであろう動物由来のウイルスを予測して紹介。さらに、ウイルスが感染する仕組みや、ヒトを含む動物の「進化」にも関係する「レトロウイルス」について詳細に解説している。コロナの「次」に感染拡大が危惧されるとして警戒すべきなのは、イヌやネコにのみ感染していたのが、サルなどの霊長類にも感染症を引き起こすように変異したウイルスだという。著者は京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授。東京大学農学部畜産獣医学科にて獣医師免許を取得。同大学院で動物由来ウイルスの研究に携わり、東大初の飛び級で博士号を取得した。大阪大学微生物病研究所エマージング感染症研究センター助手、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授などを経て現職。