

日本の地方ではシカやイノシシなど野生動物による農業被害が拡大している。その対策で捕獲した動物の、「ジビエ」としての有効利用が注目を集めている。ジビエの肉や加工品、料理などをブランド化し地方創生につなげようとする動きもある。だがジビエについての正しい知識はまだ十分に広まっていないようだ。

本書では、食用に捕獲した野生鳥獣を指す「ジビエ」について、国内におけるその定義や歴史、加工や流通、捕獲や料理の方法、栄養や安全管理、観光への活用など、さまざまな角度から各界の専門家が解説。国内における現状と課題、そして未来について網羅的に理解できる内容となっている。ジビエの処理・加工、商品開発、流通などは、従業員1~2名の小規模零細な食肉処理施設が一手に担っており、流通量や品質のばらつきなどもある。ジビエの振興には課題が多いが、法整備も進み、自治体や企業のさまざまな工夫に期待が持てる。編著者は麻布大学名誉教授、中国科学院瀋陽応用生態研究所客員教授、一般社団法人日本ジビエ振興協会理事。専門は家畜衛生学、畜産環境学、養豚科学で、ジビエに関する調査・執筆、学校給食問題などに取り組んでいる。なお本書は、各分野の専門家18名によって執筆された。