新書・文庫
発刊 2021.02
本当は世界で高く評価されている「日本の教育」
『日本の教育はダメじゃない』
国際比較データで問いなおす
Contents

1.学力は本当に低いのか?
2.教育の代償は大きいのか?
3.もうそういうの、やめませんか?

Introduction
「ゆとり教育の弊害で学力が低下している」「知識偏重の教育のせいで創造性が育まれていない」といった、日本の教育に対する否定的な声が目立つ。教育行政はそうした意見に対応する「改善策」を次々と打ち出し、結果として教育現場に混乱をもたらしている。だが、本当に日本の教育は「ダメ」なのだろうか。
本書では、OECDが実施する学習到達度調査PISA(ピザ)などの国際比較データを駆使しながら、通説ともなっている日本の教育の「ダメ」な点の多くが思い込みに過ぎず、世界的に見れば相対的に日本の子どもたちの学力は高く、創造性の面でも高い水準にあることなどを明らかにする。そして、保護者や教師、教育行政、メディアなどに対し、日本の教育をどう捉えるべきかを提案、教育をめぐる議論に新たな視点を提供している。著者の小松光氏は、国立台湾大学気候変動・持続的発展国際学位プログラム准教授、ジェルミー・ラプリー氏は京都大学大学院教育学研究科准教授。ともに世界銀行、国際連合教育科学文化機関などのアドバイザーも務めた経験を持つ。