新書・文庫
発刊 2021.02
人口爆発のアフリカで今「何」が起きているのか
『アフリカ 人類の未来を握る大陸』
別府 正一郎 著 | 集英社(集英社新書) | 256p | 860円(税別)
Contents

はじめに アフリカを歩く
1.「虹の国」のワンチーム
2.世界最悪の貧富の格差
3.そこをコロナが襲った
4.植民地支配の呪い
5.中国化するアフリカ
6.気候変動最前線
7.海面上昇に翻弄される「優等生」
8.幼すぎる結婚
9.黄金とテロ
10.世界で最も若い国の若者たち
11.平和のために闘う医師
12.カエル跳びで前進せよ
13.監獄からの手紙
おわりに 太陽を追って

Introduction
アフリカ大陸では人口が爆発的に急増しており、2050年までに世界人口の4分の1を占めるという予測もある。人口の平均年齢も若く、今後も経済成長が期待できる巨大市場として、他の地域の国々から、進出先として大きな注目を集めている。そんなアフリカには、どんな「光と影」が存在するのだろうか。
本書では、経済発展の一方で、砂漠化、飢餓、貧困、紛争といった一朝一夕には解決の難しい課題を抱えるアフリカの現状と未来を、現役NHK特派員が現地取材をもとにレポートする。アフリカ諸国は、中国からの巨額の融資やインフラ整備などもあり急速に発展を遂げつつあるが、先進国によるこれまでの温室効果ガス排出の「ツケ」ともいえる気候変動の影響を如実に受け、食糧不足による深刻な飢餓、観光資源の破壊などの被害にも見舞われている。その一方で、ドローンを使った新たなビジネスの開発など、若者たちを中心とする「変化を起こす」気運が高まっているようだ。著者はNHKヨハネスブルク支局長。京都大学卒業後、NHKに入局し、イラク戦争、シリア内戦やIS取材、国際放送局キャスター、解説委員を経て現職。アフリカ全域を取材している。