新書・文庫
発刊 2021.02
量子力学で最短通勤経路を探す物理学者の頭の中
『物理学者のすごい思考法』
Contents

1.物理学者の頭の中
2.物理学者のつくり方
3.物理学者の変な生態

Introduction
広大な宇宙から極小の素粒子まで、世の中の森羅万象を究極的な論理で解き明かす「物理学」。とりわけ、量子力学、超ひも理論、素粒子論といった最先端の領域を日々研究する理論物理学者の思考は、おそらく一般人とは異なるものなのだろう。日常生活でも独特な視点から現象を見つめているに違いない。
本書は、理論物理学者である著者が、そのユニークな「物理学的思考法」により日々の身近な問題などについてユーモアを交えて考察し、物理学の本質にも迫る科学エッセイ。例えば、毎日の通勤における最短ルートを量子力学の「経路積分」という考え方を使い「実験」し、「エスカレーターの片側を開ける」という慣習をなくすための「解法」を探る。さらに、自身が物理学を選んだ理由から、物理学と数学との違いなどをわかりやすく解説している。著者は、大阪大学大学院理学研究科教授。1973年生まれ、大阪育ちで、理論物理学、超ひも理論、素粒子論を専門とする。東京大学、理化学研究所を経て現職。なお、本書は、月刊「小説すばる」(集英社)連載のエッセイ「異次元の視点」を中心に編集・加筆したものである。