

デジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性が、製造業や流通業など伝統ある業態の企業でも指摘されている。しかし、デジタルを競争優位につなげるためには、表面的な先進技術の導入だけでは不十分だ。何のためのデジタルなのかを追究し、経営戦略を実現するツールとして役立てる必要がある。

本書では、デジタルを活用した経営改革の方法論を示す。デジタル時代における企業の武器は「信頼」であるとした上で、デジタルを生かして顧客の課題を解決し、顧客価値を向上させる「顧客価値リ・インベンション戦略」を提案。フレームワークを示し、スーパーマーケットチェーンのウォルマート、3Dプリンタメーカーのカーボンなどを事例として取り上げ、読み解いている。著者の三品和広氏は神戸大学大学院経営学研究科教授。ハーバード大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科助教授等を経て、2004年より現職。山口重樹氏はNTTデータ代表取締役副社長執行役員。公共・社会基盤分野、法人・ソリューション分野、中国・APAC分野を担当する。なお、ダイジェストは山口氏が執筆を担当した章から作成した。