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発刊 イギリス 2018.08
英国の五輪成績を20年で大躍進させた強化策とは
『英国のスポーツ革命』
「負け犬」だったチームを立て直らせた科学者と指導者・選手のタッグ
Game Changers: How a Team of Underdogs and Scientists Discovered What it Takes to Win
Contents

1.ゲームに必要なもの
2.敵を知れ
3.プロゾーン
4.ウィナーとミス
5.最悪のシナリオ
6.無知の川
7.最後の挑戦
8.元ボート選手転じてサイクリストに
9.F1ピットの科学
10.チャンピオン製造法
11.氷上のスケルトン
12.勝者の効果
13.苦い勝利
14.金まであと一歩
15.ホームアドバンテージ
16.勝つために必要なこと
17.虎の尾を踏む
18.やむを得ずに
19.考える木曜日
20.67個のメダル
21.飛ぶボート
22.複雑なゲーム

Introduction
2020東京五輪は延期になったが、それとは関係なく、各アスリートや競技チームは、ひたすら勝利を目指し努力を続けているはずだ。過去に英国チームは、1996年のアトランタ五輪で惨憺たる結果に終わったものの、20年後のリオ五輪ではメダル獲得数2位にまで躍進した。どんな努力をしたのだろうか。
未邦訳の英国書籍である本書は、英国における20年間のアスリート強化の秘訣を明らかにする。英国は、1996年アトランタ五輪でのメダル獲得数36位という屈辱をバネに、国を挙げて、最新のスポーツ科学の研究成果を取り入れたチーム強化に乗り出した。それは、個々の競技の技術向上のみならず、医学・生理学、心理学などの専門家がチームの指導者や選手とタッグを組み、ベストなトレーニング方法を探るという体制で行われることになる。その過程で取り入れられた「制約主導型アプローチ」や「マージナルゲインの原則」などは、スポーツ以外の場での成長や成功にも十分応用できるものだ。著者のジョアン・メデイロス氏は、ポルトガル出身、英国で活躍するジャーナリスト。雑誌「WIRED」の編集者を務めるほか、「エコノミスト」「GQ」「ネイチャー」などに、幅広く執筆している。