

新型コロナウイルス感染症の蔓延でヒトやモノの移動が制限されたことは、多くの企業のサプライチェーンに多大な影響を与えている。だが、平時においても、複数の独立した企業からなるサプライチェーンを、利益を最大化すべく機能させるのは、たやすいことではない。各企業の連携や協働が必要となる。

本書では、日本の自動車産業と電機産業を例に、サプライチェーンを構成する企業群がどのように連携・協働を行っているかを、利益やリスクの分配、付加価値の創造といった視点で考察。トヨタや日産などの大手自動車メーカーにはサプライヤー同士が交流・研鑽する「協力会」が存在し、とくにトヨタ系のサプライヤーは、自発的にサプライチェーン全体の効率化や利益拡大、リスク削減に取り組んでいる。著者は、そうした連携や利益分配の仕組みを「シェアリングモデル」と呼び、事例やデータ分析を交えて詳細に論じている。著者は、名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授。経営戦略、経営組織、企業間関係、国際経営を専門とする。