海外書籍・雑誌
発刊 アメリカ 2020.03
時間管理のヒントになるNASAの「火星時間」対策
『NASAが体験した「火星時間」の身につけ方』
Making Time on Mars
Contents

1.MER:惑星間の職場とコミュニティ
2.宇宙での勤務時間
3.存在しない時計の音
4.宇宙を夢見て、メンバーシップを想像する
5.ローバーもチームメンバー:人とロボットがともに働く

Introduction
仕事と時間の関係をうまくコントロールできないと悩むビジネスパーソンは、少なくないのではないだろうか。実は、仕事上の時間管理のヒントが、NASAが2004年に実施した「火星探査車(MER)プロジェクト」にある。地球時間とは異なる「火星時間」への適応に、地上スタッフが成功したからだ。
未邦訳の米国書籍である本書は、MERミッションに挑んだ科学者とエンジニアたちが、作業をしながら1日の長さが地球時間の「24時間39.6分」にあたる「火星時間」に適応していく過程を描きながら、「仕事と時間」の関わりについて掘り下げている。MERのチームメンバーは、火星上で遠隔操作により働く2台のローバー(探査車)を擬人化、感情移入して“仲間”とみなすことで、自然と火星時間を自身の時間感覚に落とし込むことができた。著者のザラ・ミルマレク氏は、NASAエイムズ研究センター・ベイエリア環境研究所のリサーチサイエンティストで、ハーバード・ケネディスクールの科学技術社会論プログラムの上級研究員。