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発刊 2020.10
未曾有の危機に組織のレジリエンスを保つには
「組織が「成功の抑圧」によるパラドクスを解決しレジリエンスを獲得するには」(Dialogue)
The three paradoxes of resilience
Introduction
2020年、世界を襲ったコロナ禍では、各国・地域の危機対応力とレジリエンス(強靭さ)が試された。国や地域だけでなく、企業などの組織のマネジメントにおいても、危機や変化に対応し、レジリエンスを保つことは重要だ。だが、そこで問題になるのが、効率性や安定性と柔軟性のパラドクス(矛盾)である。
英国のLID Publishingが、米国デューク大学の企業向け研修機関Duke Corporate Educationの協力のもと発行するビジネス誌「Dialogue」2020年Q4号に掲載された本記事は、組織がレジリエンスを保つために解決すべきパラドクスについて、いくつかの事例を挙げながら論じている。変化の激しい現代において、企業などの組織は安定性と目先の効率性を重視した運営を行いがちだが、そうすると現場の自律性や柔軟性が失われるといったパラドクスが生じる。それを解決するには、両者のバランスのとれた運営が求められるようだ。筆者は、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで心理学と行動科学を教える客員教授で、Duke Corporate Educationのエデュケーターも務めている。