残念ながら現在、日本発の新商品や新サービスが、米国発よりも圧倒的に少ないのは明らかだろう。そして、米国よりもさらに高速にイノベーションを生み出し続けているのが中国のベンチャー企業たちだ。彼らの強さは資金力、技術力、経営戦略にあるが、その裏側には独自のマーケティング戦略がある。
本書では、中国ベンチャーの優れたイノベーションと、それを「広める」戦略を「リープ(飛躍)・マーケティング」と名づけ、分析。具体事例を挙げながら、「加点型マーケティング」「未来型共創マーケティング」「ブルーポンド戦略」「ブリッツスケール」などの手法を、それを可能にする中国人特有のマインドも含めて解説し、日本企業が学び、いかに取り入れられるか、可能性も探っている。著者は、高千穂大学商学部准教授。マーケティング戦略、消費者行動、イノベーションを専門とし、とくに日中の比較分析を進めている。主な著書に『イノベーション・リニューアル──中国ベンチャーの革新性』(共著、千倉書房)などがある。