書籍
発刊 2020.07
JASRACの牙城崩す著作権ビジネス新規参入の軌跡
『やらまいか魂 デジタル時代の著作権20年戦争』
三野 明洋 著 | 朝日新聞出版 | 240p | 1,200円(税別)
Contents

1.「カッキ~ン!」からはじまる
2.「オット!」ここでJASRACについて勉強です
3.「ガンガン」と打たれて杭も強くなる
4.「やらまいか」独占JASRACに挑戦状
5.「ズシン!」と重く降ってきた友人たちのアドバイス
6.大きな壁に小さな穴「冷酒も旨し」
7.「粛々と」すすむ法改正はなにをめざす
8.「やったあ」と「やるぞ」著作権等管理事業法成立
9.「ギャオ!」敵もさる者
10.「なぜ? どうして?」既得権保護バリヤー張り放題
11.「ささやかな反撃」まずは公取委への相談から
12.続・ささやかな反撃
13.「はてさて」公平公正な競争って何なんだ
14.「勉強してみよう」独禁法
15.この「印籠」もとい「イエローカード」が目に入らぬか
16.「チャンス到来」と思いきや……
17.「覚悟」はできているか
18.本格的に「勉強開始だ」独禁法
19.JASRACに「激震」立入検査入る
20.「排除措置命令」主文のとおり命令する
21.不服の対価、「課徴金一億円」
22.「ありえない」ことも起こるものだ
23.激論の先に「審決取消訴訟」があった
24.東京高裁勝訴判決で「ひとり静かに、涙」
25.最高裁判決勝訴! 「やらまいか」にさらば
0.最後にもう一度「カッキ~ン!」が響き渡る

Introduction
放送やカラオケなどで音楽を使用する際にJASRAC(日本音楽著作権協会)から使用料が徴収されることは、よく知られている。音楽教室での講師の演奏にまで料金が請求され、話題になったことも記憶に新しい。このJASRACは60年ほど業務をほぼ独占してきたが、実は他にも著作権管理団体はある。
本書は、2000年に著作権管理事業会社として設立されたイーライセンス(現NexTone)の設立経緯や、JASRACの独占をめぐる攻防を、創業者が自ら描くノンフィクション。日本コロムビアに入社し、音楽業界に足を踏み入れた著者は、音楽のみならずマルチメディア商品の制作にも携わり、森高千里や中島みゆきなどのCD-ROMやDVDに対してJASRACから不当な著作権使用料を請求されたことに疑問を抱き、JASRACの独占を崩すべく、法律改正に挑むとともに著作権を管理する新会社設立を決意した。著者は、日本コロムビア、独立系レコード会社、音楽出版社、ワーナーミュージック・ジャパン邦楽統括本部長などを経て、2000年にイーライセンスを設立。その後、株式会社NexTone相談役(2019年6月退任)、現在は株式会社エスパープロデューサーズ代表取締役、株式会社スマートエデュケーション取締役、国立大学法人山口大学国際総合科学部客員教授。