書籍
発刊 2020.05
20世紀最高の知性の一人、ラッセルの人生論
『人生についての断章【新装版】』
MORTALS AND OTHERS(1975, 1996)
バートランド・ラッセル 著 | 中野 好之/太田 喜一郎 | みすず書房 | 256p | 3,700円(税別)
Contents

1.嫉妬について
2.性関係と幸福と
3.外国で嫌われる旅行者
4.老年の脅威
5.技巧礼讃
6.口紅を使ってよい人々
7.経験の教え
8.希望と恐怖
9.犯罪人は一般人よりも悪人か
10.臆病が勝
11.黙想の衰微
12.結婚
13.優等生について
(他、全78項目)

Introduction
2020年は、英国の哲学者、バートランド・ラッセルの没後50年に当たる。ラッセルは、「ラッセルのパラドックス」の発見など論理学・数学の分野で顕著な業績を残す一方、哲学、教育学、社会評論、政治活動など幅広い分野で活躍。1950年にはその多様な著作群に対し、ノーベル文学賞が授与された。
本書は、バートランド・ラッセルが1931年から1935年にかけて米国の新聞に連載した78篇のエッセイを集めた書。愛、結婚、自由、戦争と平和、進歩、知識、科学など、人生や社会における、さまざまな問題について、多様で独自性の高い見地から考察している。世界恐慌、第二次世界大戦前夜の社会不安が高まる時期に書かれた、20世紀最高の知性の一人とも称される哲学者によるエッセイは、同様に不安な現代にもさまざまな示唆を与えてくれる。著者は、1872年生まれ、1970年没。英国の貴族ラッセル家に生まれ、論理学・数学基礎論に貢献した後、社会評論や哲学の著述で論理実証主義の形成に大きな影響を与える。邦訳された著書には『西洋哲学史』(みすず書房)、『哲学入門』(ちくま学芸文庫)、『幸福論』(岩波文庫)などがある。なお、ダイジェストでは「災難がうれしいのはなぜか」「科学者は科学的か」「他人の身になって考えること」の3篇を取り上げた。各々のパートに付した日付は、新聞掲載日である。