新書・文庫
発刊 2020.05
日本の将来を決めうる外交官が持つべき美徳とは
『歴史秘話 外務省研修所』
知られざる歩みと実態
片山 和之 著 | 光文社(光文社新書) | 232p | 800円(税別)
Contents

1.外務省の誕生と外交官の育成
2.外交の「勘」を養うために――外務省研修所の設立
3.外交官の資質――研修で何を学ぶのか
4.国内外の公務員研修所

Introduction
自国の存立と国際平和を維持する上での「外交」の重要性は論をまたない。それゆえ在外公館などに勤務し、外交の最前線でその実務を担う「外交官」には、きわめて高度な能力が要求される。その外交官の能力を戦後、今に至るまで養成してきたのが現在は神奈川県相模原市にある「外務省研修所」である。
本書では、第2次世界大戦終戦後まもない1946年に「外務官吏研修所」として開設された外務省研修所の歴史を辿り、その意義と役割とともに、外交官が身につけるべき資質や心構え、現在行われている研修の中身などを、現外務省研修所長である著者が語っている。著者が考える外交官に必要な普遍的な資質や要件は、20世紀前半に活躍した英国人外交官ハロルド・ニコルソンが示した「7つの外交上の美徳」にあった。著者は1983年に外務省に入省、外務省中国課首席事務官、大使館一等書記官(中国)、参事官(米国)、次席公使(マレーシア)、経済公使(中国)、次席公使(ベルギー)、デトロイト総領事、上海総領事等を経て、2019年外務省研修所長に就任。