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発刊 2020.07
アフターコロナの「推進力」を行動経済学で探る
「アフターコロナに人類が考慮すべき「摩擦」と「推進力(モチベーション)」」(Dialogue)
How to rocket boost society
Introduction
新型コロナウイルスによる社会の混乱が収束に向かったとしても、私たちの生活は「元のまま」にはならないと言われている。生活や働き方の変化は避けられず、一人ひとりに変化のための努力が求められることだろう。では、どのように努力していけばいいのか。スムーズな変化を促す手法はないのだろうか。
本記事は、「Dialogue」誌2020年Q3(7-9月)号の特集「新しきフロンティア(New frontiers)」の冒頭を飾る論考。コロナ禍によって失われた人類のパフォーマンスを取り戻し、変化を受け入れながら再び前進するために必要な要素を、行動経済学の知見をもとに検討している。宇宙ロケットの打ち上げに「摩擦」と「推進力」を考慮に入れなくてはならないのと同様に、人間に行動変容を促すのにも、摩擦を減らし、推進力=モチベーションを高めることが重要になる。本記事では、この摩擦と推進力について、具体的な事例を挙げながら考察する。筆者のダン・アリエリー氏は米デューク大学教授で、心理学と行動経済学を専門とする。著書にベストセラー『予想どおりに不合理』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)などがある。