新書・文庫
発刊 2020.05
映画やドラマの「ゾンビ」に見る人間と人間関係
『大学で学ぶゾンビ学』
人はなぜゾンビに惹かれるのか
岡本 健 著 | 扶桑社(扶桑社新書) | 304p | 940円(税別)
Contents

1.「ゾンビ」とは何か
2.映画で見るゾンビの歴史
3.ゾンビのグローバル化、マルチメディア化
4.日本のゾンビ文化考
5.なぜ人々はゾンビに惹かれるのか

Introduction
映画やテレビ、漫画やゲームといったエンターテインメントの中で、古今東西にわたり根強い人気を誇るコンテンツが「ゾンビ」である。死んだはずの人間が動き出し、生きている人間を襲い始め、周囲を混乱に陥れるという設定で描かれることの多いゾンビだが、なぜ繰り返し主題として選ばれるのだろうか。
本書では、ゾンビが人々を惹きつける理由について、ゾンビコンテンツの歴史と変遷、現代社会との関連性、ゾンビに対する恐怖心の正体といったさまざまな視点から分析。元々はヴードゥー教の呪術によって生み出される存在であったゾンビが、「感染する」「走る」「噛みつく」という特徴を備えるようになり、より現代的な問題を反映している点を、実際の作品を例に挙げながら、大学の授業を模して解説している。ゾンビというマニアックな分野から社会全体に応用できる「ものの見方」を獲得することが、著者の狙いの一つだという。著者は近畿大学総合社会学部総合社会学科准教授。観光学、観光社会学、コンテンツツーリズム学、ゾンビ学を専門とし、近畿大学ではゾンビを題材に講義を行っている。著書に『巡礼ビジネス』(角川新書)などがある。