書籍
発刊 2020.02
常識を飛び越えた「科学」の不思議な成果たち
『銀河の片隅で科学夜話』
物理学者が語る、すばらしく不思議で美しいこの世界の小さな驚異
全 卓樹 著 | 朝日出版社 | 192p | 1,600円(税別)
Contents

1.海辺の永遠
2.流星群の夜に
3.世界の中心にすまう闇
4.ファースト・ラグランジュ・ホテル
5.真空の探求
6.ベクレル博士のはるかな記憶
7.シラード博士と死の連鎖分裂
8.エヴェレット博士の無限分岐宇宙
9.確率と錯誤
10.ペイジランク─多数決と世評
11.付和雷同の社会学
12.三人よれば文殊の知恵
13.多数決の秘められた力
14.思い出せない夢の倫理学
15.言葉と世界の見え方
16.トロッコ問題の射程
17.ペルシャとトルコと奴隷貴族
18.分子生物学者、遺伝的真実に遭遇す
19.アリたちの晴朗な世界
20.アリと自由
21.銀河を渡る蝶
22.渡り鳥を率いて

Introduction
物理学、天文学、生命科学、化学、数理科学といった「科学」の世界はいずれも奥深く、とくに最新のもののなかには、研究者以外の人々の常識からはかけ離れた、不思議な研究成果も数多い。そして、それらが科学の「面白さ」となり、われわれの知的好奇心をかきたてるとともに、新しい発想の源にもなる。
本書は、理論物理学者である著者が、現代科学のさまざまな分野の成果と、それをめぐる人間の物語を集めた科学エッセイ集である。「宇宙の話」「原子世界の話」「数理科学で分析する人間社会の話」「倫理の話」「生命の話」と大きく5分野に分けられる22話が収められている。最近の研究から300年以上前の発見までを含む、一般にはあまり知られていないトピックスから、「空想よりも不思議な現実の世界」を存分に味わうことができる。著者は高知工科大学理論物理学教授で、量子力学、数理物理学、社会物理学を専攻。ジョージア大学、メリーランド大学、法政大学などを経て現職。