新書・文庫
発刊 2020.04
次世代素材GaNはいかに社会を豊かにするか
『次世代半導体素材GaNの挑戦』
22世紀の世界を先導する日本の科学技術
天野 浩 著 | 講談社(講談社+α新書) | 192p | 880円(税別)
Contents

1.青色発光ダイオードが教えてくれた真実
2.次世代半導体で世界をリードするために
3.日本の研究力はまだ強い
4.世界をリードする産学協同研究所を
5.GaNが創る未来のかたち

Introduction
国際的な論文の引用件数減少などで、日本の科学技術研究の危機を叫ぶ声が大きくなっている。だが、実は将来的に世界の産業をリードする可能性を秘めた、日本発の研究がある。次世代半導体素材であるGaN(窒化ガリウム)の研究だ。進めるのは2014年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩氏である。
本書では、「明るく省エネルギーの白色光源を可能にした効率的な青色発光ダイオードの発明」の業績で、赤﨑勇氏、中村修二氏とともにノーベル物理学賞を受賞した天野浩氏が、青色発光ダイオード(LED)の素材として使われたGaNによる、次世代半導体などへの応用について解説。産学協同による日本の科学研究振興の必要性を訴えつつ、低消費電力、省エネルギーで高電圧・高出力の電力を扱えるGaNの、IoTや5G、再生可能エネルギーの安定供給、水質改善といった社会に貢献する素材としての可能性を伝えている。著者は、名古屋大学教授。同大学の赤﨑記念研究センター長、未来材料・システム研究所未来エレクトロニクス集積研究センター長・教授も務める。