海外書籍・雑誌
発刊 アメリカ 2018.11
市場独占による資本主義経済の停滞を防ぐには
『独占企業によって“幻影”と化す「資本主義」』
The Myth of Capitalism: Monopolies and the Death of Competition
Contents

1.バフェットとシリコンバレーの富豪たちの共通認識
2.縄張りに入り込む
3.独占企業とキングコングの共通点
4.労働力を絞り出す
5.シリコンバレーの侮辱
6.有料道路と泥棒男爵
7.企業トラストとナチスの共通点
8.規制と化学療法
9.米国のモルガナイゼーション
10.未解明の分野

Introduction
GAFAに代表される巨大企業による富の独占は、さまざまな論者が問題視している。米国では、IT業界以外にもさまざまな業種で、数社による「独占」が生じているようだ。生産を効率化する反面、消費者の選択肢を狭め、健全な競争環境を阻害する独占企業には、資本主義経済を停滞させるという指摘もある。
本書では、各業界でわずかな数の大企業が市場を独占し、スタートアップや有力な中小企業などの競争への参入を、買収・合併によって防ぐことが多い現状を分析。「競争がない」という本来の資本主義経済ではありえない状況をなくし、経済の停滞や不平等、雇用機会の減少といった問題を解消するために、法律や制度による規制が必要であることを具体的な提言とともに訴えている。著者のジョナサン・テッパー氏は、金融調査を行うマクロ経済研究グループ、ヴァリアント・パーセプション、および報道写真投稿サイトDemotixの創設者。デニス・ハーン氏は、執筆家やコンサルタントとして活躍。